経営学には、大きく分けて8つのジャンル(分類)があります。以前、このSHIGOREPIでもご紹介しましたね。
今回は、その中の1つ、「マーケティング」の核心部分へ入ります。
経営学の8つのジャンル】
1.マーケティング (Marketing)‟ほったらかしでも売れる仕組みをつくる活動„ 2.生産管理 (Production) 3.ロジスティクス (Logistics) 4.財務・会計 (Accounting & Finance) 5.組織・人事管理 (Organization & HRM) 6.情報管理 (Information) 7.経営戦略 (Strategy) 8.リーダーシップ (Leadership
STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)
マーケティングとは: 『ほったらかしでも売れる仕組みをつくる活動』のことでした。 (※ここでの「ほったらかし」とは、無理な売り込みや宣伝活動をしなくても良いという意味です)
前回のRecipe13では、お客様のニーズに対する企業の3つのアプローチ(スタンス)を学び、マーケティングの究極のゴールは、『ほったらかしでも売れる仕組みをつくること(売り込みを不要にすること)』であることを確認しました。
では、その仕組みを具体的にどうやって作るのでしょうか? 「よーし、ほったらかしにするぞ!」と叫ぶだけでは、仕組みは生まれません。
それこそが、世界中の優良企業が実践している王道の戦略手順、『STPを考える』→『4つのPを展開する』です。
これは、先人たちが「あらゆる泳ぎ方を試した結果、見つけた最適解(定石)」のようなものです。ここを理解すれば、初心者でも明日から現場で「売れる仕組み」を作り始めることができます。
STPは、ほったらかしで売れる「地図」を見つけること
STPとは、マーケティングの『戦略(地図)』の部分です。
闇雲に行動(4P)する前に、地図を広げて「どこの街の、どの家の人に、自分たちはどんな『自慢の店(立ち位置)』になるか」を決める作業、と考えるとスッキリしますね。
これが完璧に決まれば、お客様は「これこれ!まさに私が欲しかったのは、この店のこのサービスだ!」と、自ら求めてやってきてくれます。これが、売り込まなくても売れる「ほったらかし戦略(地図)」の土台です。
STP(誰に、何を、どう戦うか)「コンビニ、スーパー店舗の例」
STPという「戦略的マーケティングの核心」の型を体系化し、世界中に普及させたのは、以前にもご紹介した「現代マーケティングの父」です。
【参考文献】 コトラー&ケラー&チェルネフ『マーケティング・マネジメント[原書16版]』丸善出版、2022年
4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)
STP(地図)で「どこで、誰に、どんな立ち位置で勝負するか」が決まったら、次は具体的な『行動(実行プラン)』に移します。
地図上の目的地(ほったらかしで売れる場所)へ向かうために、「目的地にピタッとたどり着ける『完璧な乗り物(道具)』」を作るのです。それが4つのPです。
4つのP(コンビニ、スーパー店舗の例)
4Pという「実行の道具」の型を体系化し、シンプルに整理したのは、世界中の企業で使われているこの原典です。
【参考文献】 McCarthy, E. Jerome. (1960). Basic Marketing: A Managerial Approach. R.D. Irwin.
第3部:STPと4Pが「カチッ」とハマれば、売り込みは不要!
マーケティングの核心(秘訣)は、ここから始まります。「誰に、何を(STP)」を決めてから、「どうやって(4P)」を一貫して揃える。この一貫性が、何よりも重要です。
先ほどの事例(コンビニの夜間)を振り返ってみましょう。
あなたが「夜間のサラリーマン(STPの「SとT」:セグメンテーション、ターゲティング)」向けの「元気が出るデカ盛り弁当(STPの「P」:ポジショニング)」というProduct(製品)を作って、「ワンコイン(Price)」にして、「一番目立つレジ横(Place)」に並べ、「超揚げたて!超大盛り(Promotion)」というポップを出したとします。
STP(戦略)と4P(実行)が完璧に一致(=カチッとハマる)していれば、お客様は「あ、これ俺のための弁当だ!」と、一瞬で納得してレジへ持って行ってくれます。
あなたが「どうか買ってください」と頭を下げて売り込む必要は、全くありませんよね。これこそが、ほったらかしでも売れる仕組みなのです。

Recipe #14 まとめ
ベテランの経験が、「定石」になる瞬間
経営学、マーケティングの初学者の方なら「マーケティング=STP+4Pの展開」という、世界共通の「最適解」をスムーズに手に入れることができます。これが「学問」を学ぶ最大のメリット。
ベテランの店員さんなら、日々現場で汗を流す中で、すでにこのSTPと4Pという言葉を知らなくても実践しています。しかし、その長年の経験が、正式にマーケティングを勉強することで、「経験」から「定石」になり、より確かなものになります。

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