経営学には8つのジャンル(分類)があります。そのうちの1つが「マーケティング」です。 そしてマーケティングとは『ほったらかしでも売れる仕組みをつくる活動』のことです。
(※ここでいう「ほったらかし」とは、無理な売り込みや宣伝活動をしなくても良いという意味です)
【経営学の8つのジャンル】
1.マーケティング (Marketing)‟ほったらかしでも売れる仕組みをつくる活動„ 2.生産管理 (Production) 3.ロジスティクス (Logistics) 4.財務・会計 (Accounting & Finance) 5.組織・人事管理 (Organization & HRM) 6.情報管理 (Information) 7.経営戦略 (Strategy) 8.リーダーシップ (Leadership)
「Recipe #16」では、マーケティングの「STP」のT、「ターゲティング」について勉強します。
ターゲティングとは?
例えるなら、セグメンテーションで綺麗に切り分けたケーキの中で、「一番美味しくて、自分たちの武器が最も活きる『このひと皿』を絶対に獲る!」と決めるアクション。これこそがターゲティングです。
なぜ「ターゲティング」が必要なのか?
なぜ、わざわざターゲットを絞る必要があるのでしょうか?
結論からいうと、私たちの「予算」「時間」「人(体力)」を、最も効果的な場所に集中させたいからです。
スーパーやコンビニの売り場(陳列できる容量)には限界があります。お店の予算や、毎日の品出しに使える時間と働く人の体力にも、当然すべて限界があります。限界があるからこそ、お店でいちばん目立つ最高の場所(ゴールデンゾーン)に「絶対に売れる自信のある主役の商品」をドカンと並べるように、勝てる客層にリソースを集中させる必要があります。
もし、「うちの店は大家族も、単身者も、シニアも、来店する全員を100%均等に満足させよう!」と全方位を狙う(八方美人になる)とどうなるか?
売り場があれこれごちゃ混ぜになり、結局誰の心にも刺さらない「個性のぼやけた不人気店」になってしまいます。
そうならないために、自店のお客様で特に多い客層(セグメント)を見極める必要があります。ターゲティングとは、「うちの店の強みと立地なら、このグループをメインのターゲットに据えて勝負する!」と勇気を持って腹をくくることなのです。
ターゲティングを理解する3つのメリット
お店の売り場責任者や担当者が「自店のメインターゲット」をハッキリと意識して売り場に立つと、毎日の仕事に次のような決定的な違い(メリット)が生まれます。
① 「売り場の主役(エンド陳列)」に迷いがなくなる!
② POP(店頭広告)の「言葉の切れ味」が良くなる!
③ 「捨てていい仕事(無駄な仕入れ)」がわかり、体力が守られる!
ターゲティングの裏の最重要キーワードは、「狙わないグループを勇気を持って捨てること」です。
- 現場のリアル: 例えば「単身者がメイン」と決めたなら、売れ残りがちな超巨大なブロック肉や、大容量パックの発注を思い切って減らすことができます。
これによって、売れない商品を守るための無駄な品出し、売れ残った商品への悲しい見切りシール貼り、そして大量の廃棄作業という「理不尽な重労働」から完全に解放されます。店員さんの体力と、お店の利益(投資対効果:ROI)が確実に守られるのです。

今回のまとめ:ターゲットを絞ると現場が「最強のチーム」になる
「大雑把にグループ分けして(セグメンテーション)、その中から勝てるひと皿を狙い撃つ(ターゲティング)」
この定石を現場のひとりひとりが理解していれば、お店の動きは劇的に変わります。
- 「店長、今の時間帯はこの客層(T)がいちばん多いので、この商品を前に出しましょう!」
- 「この売り場はターゲット(T)のニーズとズレているから、並べ替えましょう!」
指示を待つだけのロボットではなく、全員が自分で考えて売上を立てる「自律した最強の生産ライン」へと生まれ変わるのです。
さあ、市場を切り分け(セグメンテーション)、狙うべき的(ターゲティング)を絞り込みました。 しかし、これだけではまだライバル店(競合)に勝つことはできません。
最後は、狙い撃ちしたターゲットの脳内に「〇〇を買うなら、やっぱりこの店が一番だよね!」という決定的な独自の立ち位置を焼き付けるステップ、すなわち「ポジショニング」の定石へと進みましょう!

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