経営学には8つのジャンル(分類)があります。そのうちの1つが「マーケティング」です。 そしてマーケティングとは『ほったらかしでも売れる仕組みをつくる活動』のことです。
(※ここでいう「ほったらかし」とは、無理な売り込みや宣伝活動をしなくても良いという意味です)
【経営学の8つのジャンル】
1.マーケティング (Marketing)‟ほったらかしでも売れる仕組みをつくる活動„ 2.生産管理 (Production) 3.ロジスティクス (Logistics) 4.財務・会計 (Accounting & Finance) 5.組織・人事管理 (Organization & HRM) 6.情報管理 (Information) 7.経営戦略 (Strategy) 8.リーダーシップ (Leadership)
産業財マーケティングと「BtoB」の広告戦略
「Recipe #13」~「Recipe #18」までで説明してきたマーケティングは、主に「消費財マーケティング」と呼ばれる領域です。
マーケティングの領域には、大きく分けて以下の2つがあります。
- 消費財マーケティング(Business-to-Consumer / 略称:BtoC): お客様が「個人(一般消費者)」
- 産業財マーケティング(Business-to-Business / 略称:BtoB): お客様が「企業」
対象が個人から企業に変わっても、産業財マーケティングの土台となる考え方は消費財マーケティングと同じです。「STP(作戦)をやって、4P(具体的な動き)を展開する」という基本の型に変わりはありません。
BtoB企業は、なぜ一般向けのCMを打つのか?
普段テレビやYouTubeを見ていると、一般消費者向けではなく、対企業向けの広告が流れているのを見たことがあると思います。「鹿島建設(ゼネコン)」や「ミネベアミツミ(超精密部品メーカー)」、他にも「AGC(ガラス)」や「村田製作所(電子部品)」などのBtoB企業のCM広告です。
では、なぜ「ミネベアミツミ」や「AGC」などのBtoB企業(企業間取引)が、一般の消費者が観ているテレビやYouTubeに、わざわざ莫大な費用をかけて広告を打つのでしょうか?
これには、強烈な3つの裏目的(戦略)が隠されています。
1. 優秀な人材を集めるため(採用戦略)
2. 社員の離職率を下げるため(インナーマーケティング)
3. BtoBの商談を有利にするため(営業支援)
(※おさらい:人間の脳にある2つの思考モード)
- ① システム1(ラクな脳): 直感・オートモード。無意識で素早く動けるが、深く考えるのを嫌がり「適当な作業」に逃げやすい。(例:CMで知っているから安心!)
- ② システム2(めんどくさい脳): 論理・マニュアルモード。分析や構造化ができるが、激しく疲労するため人間は無意識に使うのを避ける。(例:企業の将来性や待遇を比較・分析する!)

まとめ:BtoBもBtoCも「誰の心を動かすか」は同じ
一見すると私たち一般人には関係のなさそうなBtoB企業のCMですが、その裏には「就活生の親ブロックを防ぐ(採用)」「家族に誇ってもらう(離職防止)」「商談相手の警戒心を解く(営業支援)」という、極めて緻密な作戦(STP)と具体的な動き(4Pのプロモーション)が隠されていました。
対象が「個人(BtoC)」であっても「企業(BtoB)」であっても、マーケティングの本質は全く変わりません。 それは、「ターゲット(T)が何を求め、何に不安を感じているのかを想像し、直感(システム1の安心感)と論理(システム2の納得感)の両方からアプローチして『ほったらかしでも選ばれる仕組み』を作ること」です。
これは、食品小売業(コンビニ、スーパーなど)の売り場でも同じです。 なんとなく商品を並べるのではなく、「このPOPを見たお客様はどう感じるだろうか?」「この陳列で安心してもらえるだろうか?」と、相手の心理を先読みして仕掛けること。
テレビやYouTubeの向こう側で一流のBtoB企業がやっている高度な戦略も、私たちが現場で汗をかきながら展開している4Pも、根っこにある「人間の心を動かすメカニズム」は確実に繋がっているのです!

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