そもそも、私たちは‟定義„とは何かを理解していない。
多くの企業が「地頭が良い人が欲しい」「仕事がデキる人を育てたい」と言いながら、その中身を『定義』していません。
お世辞にも「仕事がデキる」とはいえない人が管理職に就いていたり、たいして中身のない会議が定期的に行われていたりするのが、「そこに『定義』がない」ことを物語っています。
このブログの大切なキーワードである『定義』。 そこに『定義』があれば、企業や個人での「筋が通ってない仕事」「整合性がない仕事(不条理)」を解決・解消でき、それによって仕事の生産性が劇的に上がります。このブログは、そんなお話です。
『定義』と『ルール』の関係性
ルールのルールがないと何が問題か?
ルールのルール(定義)がないと、職場では以下のような悲劇が起こります。
- ルール: 仕事がデキる人を管理職にします。
- ルールのルール(定義): しかし、「仕事がデキる」ということがどういう状態か、誰もわかっていない。
結果として、「仕事がデキる人を管理職にする」というルールが全く機能せず、管理職に向いていない人がそのポストに就いてしまうのです。
例:「廊下を走ってはいけない」というルールのルール(定義)
「言葉の定義を怠ると、システムは機能不全を起こす」という事例
どこの小学校でも「廊下を走ってはいけない」というルールがあると思います。しかし、私が通っていた小学校では、「走るとはどういう状態を指すのか」という明確な定義がされていませんでした。
その結果、「走るな」と注意された児童たちは「走っていません。速歩きです」「これはスキップです」と言い逃れをしてしまい、ルールが全く機能していない状態に陥っていました。
では、どうすればよかったのでしょうか?答えは、「ルールのルール(定義)」を明確に定めることです。
例えば、『走っているとは【両足が同時に地面から離れる瞬間(滞空時間)が存在する移動方法】のことであり、本校では「速歩き」や「スキップ」もこれに含める』と事前に定義しておきます。このように言葉の定義(前提条件)を揃えておけば、「走った・走っていない」という無駄な言い争いが起きず、ルールを劇的に守らせやすくなるのです。
3つの『定義』を知る
この世界には6種類の定義が存在すると言われていますが、このブログではビジネスに直結する「3つ」に絞ってお話しします。
① 報告的定義(辞書的定義)
② 規定的定義
③ 操作的定義
操作的定義が「最強の定義」である理由
「言葉の意味を共有し(報告的定義)、社内のルール(規定的定義)を作った。」 ……実は、これだけでは組織は変わりません。なぜなら、報告的定義と規定的定義だけでは、そこに具体的な数字・数値がなく、「測定」ができないからです。
ここで、『操作的定義』の登場となります。
操作的定義は、物理学者でノーベル賞受賞者のP.W.ブリッジマンが、1927年の著書『現代物理学の論理』の中で提唱した概念です。 彼の主張をビジネスの現場に噛み砕いて説明すると、こういうことになります。
測れないものは、科学のまな板にすら乗らない(議論する意味がない)。これが科学の結論なのです。

ビジネス現場での「操作的定義」の作り方
例えば、コンビニやスーパーのお酒・ソフトドリンクの発注担当者を評価するとしましょう。
操作的定義を使って、「年間を通して、アサヒスーパードライ(350ml)の在庫数を常に5ケース~12ケースの間でキープできれば、発注がうまくできていると見なす」と決めてしまうのです。
(※もちろん評価する側が、事前に「欠品させず、賞味期限が切れる前に売り切れる最適な在庫数」をデータとして測っておくことが前提です)
こう決めておけば、誰が測っても、上司の機嫌や主観に左右されることなく「この発注担当者が仕事ができるか否か」が明確に測定できます。
あなたの勤める会社、あるいは経営している会社では、「仕事ができる」「在庫管理ができている」「キレイに掃除しておく」といった曖昧な言葉に、しっかりとした『測り方(操作的定義)』を持っていますか?

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