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Recipe #1 そこに『定義』はあるんか?

 多くの企業が「地頭が良い人が欲しい」「仕事がデキる人を育てたい」と言いながら、その中身を『定義』していません。

お世辞にも「仕事がデキる」とはいえない人が管理職に就いていたり、たいして中身のない会議が定期的に行われていたりするのが、「そこに『定義』がない」ことを物語っています。

このブログの大切なキーワードである『定義』。 そこに『定義』があれば、企業や個人での「筋が通ってない仕事」「整合性がない仕事(不条理)」を解決・解消でき、それによって仕事の生産性が劇的に上がります。このブログは、そんなお話です。

目次

『定義』と『ルール』の関係性

『定義』とは、シンプルに言えば「ルールの前提となる土台(土俵)」です。 ルールを決める前に「そもそも何の話をしているのか?」を確定させるのが『定義』の役割であり、いわば「ルールのためのルール」と言えます。

ルールのルールがないと何が問題か?

ルールのルール(定義)がないと、職場では以下のような悲劇が起こります。

  • ルール: 仕事がデキる人を管理職にします。
  • ルールのルール(定義): しかし、「仕事がデキる」ということがどういう状態か、誰もわかっていない。

結果として、「仕事がデキる人を管理職にする」というルールが全く機能せず、管理職に向いていない人がそのポストに就いてしまうのです

3つの『定義』を知る

この世界には6種類の定義が存在すると言われていますが、このブログではビジネスに直結する「3つ」に絞ってお話しします。

① 報告的定義(辞書的定義)

報告的定義は、「みんなが今、どう使っているか」の報告です。 「世の中の人は、普通にこの言葉をこういう意味で使っているよね」と、後から調べて報告したものです。 この定義の特徴は、「正しいか、間違っているか」がはっきりすることです。 (例:辞書に「リンゴは鳥類です」と書いてあったら、それは明らかな「報告ミス」なので間違いです

② 規定的定義

規定的定義は、「ここではこう呼ぶことにしよう」という約束です。 新しいゲームのルールを作ったり、法律を作ったりするときの役割を果たします。世間一般の意味はとりあえず置いておいて、「この場をスムーズに進めるために、意味をしっかり決めちゃおう」という宣言です。 特徴は「正しいか」ではなく、「便利か、話が早いか」に主眼が置かれている点です。

③ 操作的定義

操作的定義は、「どうやって測るか」という手順書です。 ある概念を、測定可能な『手続き(操作)』によって定義すること。つまり、「誰がやっても同じ結果が出る『判定基準』を作る」ということです。 (例:「空腹とは、最後に食事をしてから12時間が経過した状態である」 ⇒ これなら、誰が測っても「空腹か否か」が正確に判定・測定できます) 特徴は、主観的な「気持ち」や「イメージ」を、客観的な「数字」や「行動」に置き換えるところにあります。

操作的定義が「最強の定義」である理由

「言葉の意味を共有し(報告的定義)、社内のルール(規定的定義)を作った。」 ……実は、これだけでは組織は変わりません。なぜなら、報告的定義と規定的定義だけでは、そこに具体的な数字・数値がなく、「測定」ができないからです。

ここで、『操作的定義』の登場となります。

操作的定義は、物理学者でノーベル賞受賞者のP.W.ブリッジマンが、1927年の著書『現代物理学の論理』の中で提唱した概念です。 彼の主張をビジネスの現場に噛み砕いて説明すると、こういうことになります。

『定義されていない=測り方が決まっていない』という状態では、現在の数字を出すことも、昨日より成長したかどうかも確認することができない」

測れないものは、科学のまな板にすら乗らない(議論する意味がない)。これが科学の結論なのです。

ビジネス現場での「操作的定義」の作り方

例えば、コンビニやスーパーのお酒・ソフトドリンクの発注担当者を評価するとしましょう。

操作的定義を使うなら、「年間を通して、アサヒスーパードライ(350ml)の在庫数を常に5ケース~12ケースの間でキープできれば、発注がうまくできていると見なす」と決めてしまうのです。

(※もちろん評価する側が、事前に「欠品させず、賞味期限が切れる前に売り切れる最適な在庫数」をデータとして測っておくことが前提です)

こう決めておけば、誰が測っても、上司の機嫌や主観に左右されることなく「この発注担当者が仕事ができるか否か」が明確に測定できます。

あなたの勤める会社、あるいは経営している会社では、「仕事ができる」「在庫管理ができている」「キレイに掃除しておく」といった曖昧な言葉に、しっかりとした『測り方(操作的定義)』を持っていますか?

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